いざフローレンス – 音楽探求のためだけにアメリカに一人旅した話day2-1

デトロイト空港に到着するや否や、今回の旅の試練の一つである空港泊が始まる。

 

始まった空港泊

ニューアーク空港の保安検査場でウィル・スミス(仮称)にブチギレられた経験を踏まえ、フローレンス到着までは下手に保安検査場の中から出ないように意識していた。

 

遅延に遅延が重なったこともあったため、同じ便に乗っていた他の乗客たちが我先にと急いで到着ロビーに向かっていく。

しかし、自分はその流れに逆らうように保安検査場内の待合所に留まり、安全かつ居心地が良さそうな場所を探した。

 

 

結果として、この判断は正解だった。

 

 

アメリカで空港泊を余儀なくされた人にオススメする、というか絶対に心掛けてほしいことは「保安検査場内で夜を過ごす」ことである。

この理由も含め、アメリカで空港泊をする場合の方法や注意点を別の記事にまとめる予定なので是非参考にしてほしい。

(記事を書き上げ次第ここにも掲載します)

 

警備の人や、クローズ作業を終えた売店・飲食店の従業員の人の目線を感じつつ、時間潰しのためひたすら読書をしていた。

 

到着時点で深夜だったこと、ニューアーク便での爆睡と時差ボケを引きずっていたこと、始めての体験で興奮状態だったことも相まって、眠気を感じることなく朝を迎えてしまった。

 

朝日が昇ると同時に飛行機が動き出す。

終電を逃した夜明けの始発電車に乗るときの、清々しいような後味が悪いような気分を覚える。

まさかこの気分を異国の地アメリカでも味わうことになるとは。

 

…なんて思っていたら売店が開き始めた。

小腹が空いていたので、おやつと飲み物を買うことにした。

 

店に入ると、日本では絶対見かけない色したコカ・コーラ、ファンタ、モンスターエナジーが陳列されていた。

こういう「見慣れない種類の見慣れたもの」を見ると、改めて海外に来たんだなぁと自覚するのだ。

 

「見慣れない種類の見慣れたもの」シリーズ



おやつには、日本でもお馴染みのポテトチップスであるプリングルスを買った。

 

物価高騰によって日本で売られているお菓子類の量が減っていることが話題となっていたため、アメリカでは実際どうなのかな?という好奇心で買ってみたのだった。

 

アメリカ版プリングルスの蓋を開けた様子

 

開けると、筒の上の方までしっかり入っているではないか。

なるほど、アメリカは日本みたいなケチなコスト削減をしないのだなと感心していたが、

 

 

 

 

値段は$2.99。

つまり401円。

 

 

401円?????!!!!!

 

 

やはりアメリカの物価、恐るべし。

 

 

 

そうこうしているうちに搭乗案内の約1時間前となった。

結局一睡もしなかったため流石に疲労が蓄積し始めており、集中力がみるみる削がれているのを感じる。

本を読み進めるスピード・継続時間が明らかに落ちていた。

同時に、「もうこれ以上飛行機に乗るのは嫌だ」と既に嫌気が差していた。

 

 

シャーロット国際空港へ

デトロイトからは、アメリカン航空ノースカロライナ州随一の大空港であるシャーロット国際空港に向かう。

シャーロットからフローレンス行きの便が発着しているのだ。

 

もう飛行機すら見たくなくなるほど嫌気が差していた私・富川だったが、いざ飛行機に乗り込んでしまうとケロっと苦痛が過ぎ去っていた。

自分は「乗り物に乗っている状態」が大好きなんだなぁと改めて実感した。

おそらくマイル修行僧には適性があるようだ。(マイル修行代行のご依頼ありましたらお気軽に富川までお問い合わせください)

 

加えて、デトロイト-シャーロット便は前々から楽しみにしていたものがある。

それは、アメリカ内陸部の景色を見ることだ。

 

私・富川は、飛行機の外の風景を見るのが本当に大好きな地理オタクなのだ。

高校時代には地歴部に所属し、文化祭で出品する部誌に羽田-鹿児島便の窓の外の風景についてひたすら解説する記事を書いたこともあるほどである。

 

また、センター試験(今は大学入学共通テストって言うのか…)のよくある問題で、「窓の外の風景についての説明を読み、飛行機の航路を選択する」というものがあった。

高校時代に机上の空論として幾つも解いてきたものを、実際に体験できるというのも楽しみの一つだった。

 

そして、実際に見えた景色は期待を裏切らなかった。

写真がコチラ。

 

デトロイト-シャーロット便から見えた景色



 

これは、アパラチア山脈である。

 

高校地理を学習した人には懐かしい響きだと思う。

アパラチア山脈とはアメリカ東部に位置する古期造山帯であり、石炭の採掘量が多いことで知られている。

 

アパラチア山脈が見えるまでは平地がランダムに広がっていたのが突然平行線状になり、その平行線が地平線の彼方まで続いていた。

 

この地形が「褶曲(しゅうきょく)」によりできたことを物語るとともに、そのスケールの大きさは圧倒的だった。

 

また、古期造山帯の風景は、日本国内で見慣れた新期造山帯の風景ともまた大きく違っていた。

同じ山脈と呼ぶには少し背が低いように思えたが、平行線状に伸びる褶曲の痕跡が確かに存在していた。

 

高校時代に古期造山帯という概念を覚えたときよりも何倍も鮮烈に脳裏に焼き付いた。

 

 

シャーロット国際空港に到着、フローレンスへ

シャーロット国際空港は本当に大きな空港だった。

 

しかし、シャーロットという都市の名前はこの旅で初めて知ったものであり、大空港といえば有名な都市名が付き物というイメージには反する。

おそらく観光需要の高い大都市に近くて大きな空港というよりは、地方に向かうためのハブ空港のような役割があって大きな空港なのだろう。

 

シャーロット国際空港の構内図

 

中~長距離の大都市同士を繋ぐ国内線が発着するエリアから、短距離の地方向けの国内線が出るエリアまで歩いて向かうが、一向にたどり着かなかった。

 

そして、見える飛行機の全てがアメリカン航空だった。

周りを見渡しても、日本人はおろかアジア系の人も観光客みたいな人も全然見当たらない。

 

本当に自分の知らない場所にとうとう来てしまったんだなぁと実感した。

 

シャーロット国際空港では、食欲につられるままバーガーキングで昼食を取った。

バーガーキングXL」という、明らかなアメリカンサイズが期待されるメニューを選んだ。

レタス、オニオン、ピクルスの量を選べるとのことで、せっかくなので二郎系ラーメンでいう「全マシ」で注文した。

 

大きさはコチラ。

 

バーガーキングXL全マシinシャーロット

 

とてもジャパニーズサイズの顎には収まりきらないほど大きかった。

味は想像通りの美味しさだった。

 

 

シャーロット国際空港ではニューアークデトロイトほどの長い時間潰しではなかったが、3度目の空港待機はもう精神崩壊寸前ぐらいまで嫌気が差していた。

加えて、一睡もしなかったために蓄積した疲労が限界に近付いているのを感じた。

 

読書ができるほどの集中力・空港内を散歩するほどの体力が残っていないうえに寝過ごす危険もあったため、アニメやYouTube動画を見て耐えしのいた。

 

そしていよいよフローレンス便の出発である。

最後の力を振り絞り搭乗ゲートをくぐる。

 

 

…あれ?

 

 

フローレンス便の飛行機



 

外…?そして飛行機小さくね…?

 

 

次回、フローレンス到着!

満身創痍の富川に予想外で最大の危機が訪れる―。

 

P.S. はてなブログの「ギター」グループに参加してみました

まだ全然使い慣れてないですが何卒↓↓