地獄と苦痛 - 音楽探求のためだけにアメリカに一人旅した話day1-3

ニューアーク空港 = 乗り継ぎ地獄の始まり

最初の経由地ニューアーク空港への到着は、この旅の"限界"要素の一つである「乗り継ぎ地獄」の始まりを同時に意味するものである。

この旅では、全部で6本の飛行機に乗り、成田空港を含めて5か所の空港を経由するという旅程が組まれている。(なお、組んだのは自分である)

全ては最安値のためとはいえ、相当過酷である。

 

「自分は本当に、ここまで過酷な旅程を組んででもAndy Timmonsの生演奏を聴き行きたいのだろうか?」と自分自身を疑う気持ちも少なからずあった。

しかし、航空券を買い揃えて旅を始めてしまった以上もう引き返せないのだ。

 

半分諦めたような状態で、ニューアーク空港への滞在が始まった。

 

 

青シャツを着たウィル・スミス(仮称)にブチギレられる

ニューアーク空港到着後、まず入国審査に向かった。

入国審査の窓口を待っているときの緊張感は、英検の二次試験の面接会場で自分の順番を待つときの緊張感と似ているなと、ふと思った。

 

そして、ムッツリな感じのゴツくて怖そうな黒人の保安官との面接が始まる。

パスポートを渡し、指示に従いながら指紋認証を受ける。

この後は質問が飛んでくるぞと、前の人のやり取りを聞きながらシミュレートした会話内容を必死に思い出す。

 

しかし、自分が聞かれたことは前の人とはだいぶ違った。

 

保安官「お前、これからサウスカロライナ州行くん??(マジかコイツと言いたそうな表情をしながら)」

 

 

あれ、自分もしかしてヤバい奴認定された?

 

ヤバい奴認定されつつも(?)、何事もなく入国審査をパスした。

 

 

入国審査後は一旦外に出されるため、再入場するには保安検査場を通る必要がある。

 

ニューアーク空港(Cターミナル)の保安検査場は、人が通るゲート一つを挟むように荷物レーン二つが割り当てられた構造になっていた。

成田空港と同じように、コートを脱いで、リュックからiPadを出して、ポケットからスマホを取り出して、、、途中で「アメリカは靴も脱がないといけなのか」と気付きながら靴も脱いで、、、としているうちに、荷物を入れるカゴが三つほど満杯になっていた。

いざゲートを通過!と思ったら

 

 

 

ブーーーーーーー(警報音)

 

とっさに青い服を着た保安官たちの視線を浴びる。

 

まず、コートの下に着ていた上着を脱がないといけないらしかった。

脱いだ上着を保安官の人に奪われ、自分が荷物を流した方ではない側の荷物レーンにぶち込まれる。

自分はそっち側に荷物やってないです…と言いたくなったが、全く英語が口に出ない。

 

この後の荷物の回収が面倒だなぁ、、、と思いながら再びゲートへ…

 

 

 

ブーーーーーーー(二回目)

 

また保安官たちの視線を集める。

「ポケットの中モノ入ってない??!!」ってキレ気味の声を掛けられる。

右後ろのポケットに定期入れを入れっぱなしにしていたことに気づいた。

ネイティブ英語のキレ声に萎縮しかけたが、その声の主の顔がウィル・スミスに似ていると思った瞬間無性に笑いそうになってしまった。

 

ウィル・スミス(仮称)に取り上げられた片手に収まるサイズの定期入れが、スーツケースすらもスッポリ入る大きなカゴに入れられて荷物レーンに流される。

しかも、またしても自分が使っていない側の荷物レーンである。

ウィル・スミス(仮称)には迷惑をかけて申し訳ないなと思いながら再びゲートへ…

 

 

 

ブーーーーーーーーーーーーーーー(三回目)

 

ウィル・スミスがブチギレながら飛んでくる。

「オメェ、腰に何か隠し持ってるな!!???(※口調はイメージ)」と言われた。

 

安全のため、旅に持ってきた全財産のほぼ全てとパスポートをウエストポーチに入れて、服の下に忍ばせていたのだった。(成田空港の保安検査場では引っかからなかかった)

 

エストポーチもウィル・スミスに取り上げられ、仰々しく大きなカゴに入れられて違う方の荷物レーンに流された。

 

完全ブチギレ状態のウィル・スミスに、"No more surprises. (もうドッキリはナシだからな)"と言われ、再びゲートへ…

 

 

 

 

今度こそは大丈夫だった。

 

ゲートをくぐり抜けた先には、別々の荷物レーンに流された自分の荷物が溜まり散らかしていた。

周囲から妙に視線を浴びながら片っ端から回収した。

 

 

いやー、初っ端からだいぶ恥ずかしい思いをしたなぁ…。

 

 

物価が高すぎる

機内食が出されてから何も食べていなかったため、保安検査場通過後は空腹状態だった。

そのため、空港内の売店で軽食を買うことにした。

 

買ったのがコチラ

 

軽食@ニューアーク空港

"Italian Wrap"は、チーズやら肉やら野菜やらがトルティーヤみたいなペラペラのパンで巻かれたような食べ物だった。

つまり、コンビニで400円前後で売っていて健康意識が高いOLが食べてそうな、いわゆる“OLのエサ”である(偏見)。

 

飲み物と一緒に会計を済ませ、待合所のイスに座る。

レシートを確認する。20ドルか、ふむふむ。

 

 

 

 

 

 

…え、20ドル?

 

 

なんとOLのエサ(飲み物付き)が3000円弱もしたのだ。

ちなみに内訳は(確か)エサ16ドル・飲み物4ドルである。

 

飲み物だけでも500円ちょい…

 

 

円安の時期というのもあるにせよ、アメリカの物価、恐るべし……。

 

 

あまりにも暇すぎる

保安検査場もパスした、空腹も満たしたともなると、次はデトロイト便の飛行機に乗るだけである。

 

なお、出発時刻は9:57 pmである。

 

詳しくは前の記事で述べたが、ユナイテッド航空はとにかく不安要素が多く、口コミの中には「遅延が多い・遅延の対応がよくない」というのもあった。

そのため、成田-ニューアーク便が遅れても何とかなるように、ニューアーク-デトロイト便の出発時刻をなるべく遅いものに設定していたのだ。

 

軽食を食べ始めた時間が4:30 pm頃だったため、残り5時間半ほどの暇潰しを余儀なくされた。

 

しかも、約13時間のフライトを終えた後である。

既にこれでもかというほど暇潰しをしたのに、これ以上どうやって暇を潰せと?

 

本を読む。

切れがいい所まで読む。

時計を見る。

「まだ●時間もある、、、」と絶望する。

 

 

別の本を読む。

切れがいい所まで読む。

「まだ●時間もある、、、」と絶望する。

 

 

ターミナル内をひたすら歩く。

約25分をかけて一周する。(本当に大きかった)

良い運動をしたなと思いながら時計を見る。

「まだ●時間もある、、、」と絶望する。

 

 

搭乗口のモニターを確認する。

 

 

 

「遅延のため出発時刻11:00 pmになります」

 

 

 

 

 

 

ここで遅延するかぁぁぁぁぁぁ!!!!ユナイテッド航空!!!!

 

 

結局遅延に遅延が重なり、11:30 pmの深夜の出発になった。

 

 

待合所という限られた環境での7時間の暇潰し、なかなか苦痛なものだった。

 

 

デトロイト便

デトロイト便では、通路側の席だった。

だが、三列シートの横二人に座っていたアラブ系の女性たちが、とにかく巨大なお身体をお持ちだった。(とても失礼)

BMIが痩せ型から標準になっただけで『太っちゃった~』とか抜かしている日本人女性の諸君は、とにかくこの女性たちに謝った方がいい」と思ってしまうレベルだった。(多方面に失礼)

 

それもあり、自分は半ケツとまではいかないにしても、座席スペースの3割ほどが肉に圧迫された状態で座らざるを得なかった。

収まらなかった足が通路にはみ出してしまい、CAさんや飲み物のワゴンと何度かぶつかってしまった。

正直6本乗った飛行機の中で、一番居心地が悪かった。

 

だが、足がCAさんとぶつかりまくったおかげで、「Sorry」と言われたら「No problem」と脊髄反射的にと返せるようになった。

ありがとう、巨体の女性たち。(失礼)

 

 

そうこうしているうちに、飛行機はデトロイト空港へ到着した。

遅延に遅延が重なった結果、到着時刻は1:30 amを過ぎていた。

 

 

 

 

 

さて、宿へと移動しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここかな?

 

 

 

 

 

アメリカ旅行一泊目の宿(デトロイト空港の待合所のベンチ)

というわけで、次回day2は追い打ちの空港泊から始まります。

お楽しみに!

 

(更新遅くなってすみません、、、3月中にはブログ中の自分が日本に帰ってこれるように頑張ります、、、)